子育て中の疲れを和らげる数分間の呼吸リラックス術
子育ては喜びも大きい一方で、心身にかかる負担も少なくありません。特に初めての子育てでは、慣れないことばかりで疲れやストレスが溜まりやすいものです。自分の時間を持つことも難しく、休息を取りたいと思っても、どのようにすれば良いのか分からないという方もいらっしゃるかもしれません。
私たちは、そうした子育てに奮闘する親御さんに向けて、短い時間でも実践できる具体的な休息法やリラックス法をお伝えしたいと考えています。まとまった時間は取れなくても、日常のスキマ時間を活用して心と体を少しでも休めることができれば、子育ての日々が少しでも楽になるはずです。
なぜ「呼吸」が休息に繋がるのか
特別な道具も場所も必要なく、いつでもどこでもできる休息法の一つに「呼吸」があります。呼吸は無意識に行っていますが、実は私たちの心や体の状態と深く繋がっています。
例えば、緊張している時や焦っている時は呼吸が浅く速くなりがちです。逆に、リラックスしている時は呼吸が深くゆったりとしています。これは、呼吸が自律神経の働きと密接に関わっているためです。意図的に呼吸を整えることで、自律神経のバランスを整え、心身をリラックス状態へ導く効果が期待できると言われています。
数分間の短い時間でも、意識的に呼吸に集中することで、張り詰めた気持ちを落ち着け、心にゆとりを取り戻すきっかけになることがあります。
数分でできる簡単な呼吸リラックス法
ここでは、忙しい子育ての合間にも取り入れやすい、簡単で効果的な呼吸法をいくつかご紹介します。
1. 基本の腹式呼吸
リラックス効果が高いとされているのが腹式呼吸です。お腹を意識して行う呼吸で、多くの副交感神経が集まるお腹周りの筋肉を動かすことで、リラックス効果を高めます。
- やり方:
- 椅子に座るか、仰向けに寝転がります。
- 片手をお腹、もう片方の手を胸に当てます。
- 鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹が膨らむのを感じます。胸はあまり動かさないようにします。
- 口から、吸う時の倍くらいの時間をかけてゆっくりと息を吐き出し、お腹がへこむのを感じます。
- この呼吸を数回繰り返します。息を吐く時に、体の中の不要なものや疲れが出ていくイメージを持つと良いでしょう。
- ポイント:
- 無理のない範囲で、ゆったりとしたペースで行いましょう。
- 目を閉じると、より呼吸に集中しやすくなります。
- 授乳中や、お子さんが寝ている横など、静かな時間を見つけて試してみてください。
2. 4-7-8呼吸法
アメリカの医師、アンドルー・ワイル博士が提唱する呼吸法で、リラクゼーションや入眠にも効果が期待されると言われています。
- やり方:
- 楽な姿勢で座るか寝転がります。
- 息を全て吐き切ります。
- 口を閉じ、鼻から4秒かけて静かに息を吸い込みます。
- 息を7秒間止めます。
- 口を少し開けて「フーッ」と音を立てながら、8秒かけてゆっくりと息を吐き出します。
- これを1セットとして、3〜4セット繰り返します。
- ポイント:
- 最初は秒数を正確に守るのが難しくても構いません。まずは「4吸って、少し止めて、ゆっくり吐く」というリズムを意識しましょう。
- 慣れてきたら徐々に秒数を伸ばしてみてください。
- 寝る前に行うと、心身が落ち着きやすくなる効果が期待できます。
日常に取り入れる工夫
これらの呼吸法は、立ったままでも、座ったままでも、少しのスペースがあればどこでも行うことができます。
- お子さんがお昼寝した直後
- 家事の合間の休憩時間
- 通勤中や、お子さんを公園で遊ばせている間
- 寝る前に布団に入ってから
など、数分でも良いので、意識的に「呼吸のための時間」を作ってみてください。最初は「効果があるのかな?」と感じるかもしれませんが、続けることで心身の変化に気づくことがあるはずです。
疲れた心と体を労わることの大切さ
子育て中は、ついお子さん中心の生活になりがちですが、親御さん自身が心身ともに健やかであることが、お子さんにとっても良い影響を与えます。ご紹介した呼吸法は、ほんの一例です。ご自身に合う方法を見つけ、無理なく日常生活に取り入れていただければ幸いです。
もし、あまりにも疲れが取れない、気分が落ち込むといった状態が続く場合は、一人で抱え込まずに、パートナーやご家族、友人、そして専門機関に相談することも考えてみてください。ご自身の心と体を労わることを、どうか後回しにしないでくださいね。
この記事が、子育てに奮闘するあなたの休息の一助となれば嬉しいです。